2010.06.21 : 平成22年第2回定例会(第4日目)

【20番(中島資浩議員)】 本市は中心市街地の空洞化や事業所、営業所等の撤退など、依然として活性化への道が見えておりません。しかし、名山赤城山を借景に本市の象徴である各所のケヤキ並木や広瀬川沿いの柳や桜、あるいは前橋、敷島両公園の花や緑など四季折々のすばらしさはだれしもが実感をしております。こういった本市の個性、魅力を最大限生かすと同時に、さらに新たな視点から何とか活性化が図れないものかと考えております。そこで、今回はザスパ草津と公共交通を生かした本市の活性化策についてお尋ねをいたします。
 まずはザスパ草津を生かしたまちづくりについてでありますが、現在世界最大のスポーツの祭典と言われております2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会が開催をされております。我が国はもとより、世界各国が連日の熱戦に熱狂している中で、サッカー人気の高まりとサッカーの持つ限りない可能性を改めて実感をしております。日本経済研究所主任研究員の小原爽子氏が行ったJクラブが地域にもたらす効果に関する調査結果では、地域に対してもさまざまな形で多大な効果をもたらすとしております。まず、地域市民への効果としては、1、地域への新たなアイデンティティーの創造、2、地域愛の醸成、3、コミュニティー活動の活発化とコミュニティーの再生、4、イベントの増加、5、若い世代への夢の付与、6、他のスポーツ、文化の呼び水的効果、7、その他、例えば市民の健康増進、スポーツを楽しむ人々の増加、地域間交流の促進など7点を挙げております。次に、自治体への効果としては、1、知名度の向上とイメージアップ、2、ホームタウン同士のつながり、3、自治体の宣伝活動要素の拡大、4、税収効果、5、自治体所有のスタジアムの有効活用とネーミングライツによる歳入増の5点を挙げております。また、地域企業、商店街への効果としては、1、各種の経済効果、例えば地域の観光、交通、飲食、印刷、警備業界等への波及、2、雇用の増大などが挙げられております。
 現在ザスパ草津のホームスタジアムは敷島公園内にある正田醤油スタジアム群馬となっており、本市に及ぼす経済効果は大変大きいものがございます。先日のコンサドーレ札幌戦では、草津GO!にごろを合わせ9,325人の観客動員を目指しましたが、初めて目標をクリアし、来場者は9,382名に達したと言われております。スタジアムには親子連れを中心に若い世代が目につき、大変な盛り上がりを見せ、特に試合前のスタジアム内外の出店はどこも長蛇の列ができ大盛況でありました。一方、過日の新聞報道で伊勢崎市が前橋市との境にある多田山へのサッカー場建設に前向きである旨の気になる記事が掲載されておりましたが、そのことについて本市の考え方をまずお伺いいたします。

【政策部長(板井稔)】 ザスパ草津を生かしたまちづくりに関しまして、多田山へのサッカー場建設についてでございますが、ザスパ草津は群馬県全域をホームタウンと定めておりまして、広く県民に愛されるクラブづくりを進めております。こうした中で前橋市と伊勢崎市との市境にございます多田山へ新たなサッカー場の誘致ということで、伊勢崎市は県へ要望をするとともに、今年度誘致に関する調査を予定しているということでございます。本市の考え方といたしましては、ザスパのホームスタジアムはお話にございましたとおり県営のサッカー場でございますので、県の方針を見守りながら対応していきたいと考えております。

【20番(中島資浩議員)】 Jクラブが地域にもたらす経済効果は、一過性のイベントとは異なりましてほぼ通年的であり、また地方都市において改めて誘致の労力なしに毎年得られる効果は得がたいものがございます。ぜひともザスパ草津が将来にわたって本市中心市街地を拠点とする活動を確保すべく、特段のご配慮をお願いをいたします。そこで、本市としてザスパ草津をどのようにとらえているか、またザスパ草津を生かした本市活性化策の実現についてどのようにお考えかお伺いいたします。

【政策部長(板井稔)】 ザスパ草津を生かした本市活性化の実現ということでございますが、Jリーグ全体の取り組みといたしまして、地域に根差したスポーツクラブを目標に掲げております。ザスパ草津の活動といたしましては、以前から市内小学校でサッカー教室を実施するとともに、今年度からは選手が子供たちと夢を語り合う夢の先生ということが予定されておりまして、地域貢献活動を積極的に展開しているところでございます。こうした活動を通じまして、子供たちや地域の人たちに選手を初めとしたスタッフの顔がだんだん見えるようになってきます。そうしたことから、クラブと地域との距離が縮まり、信頼関係が築いていけるものと考えております。また、ザスパ草津が行う地域の貢献活動を充実していくことが地域の活性化にも通じると考えております。

【20番(中島資浩議員)】 先刻述べましたように、Jクラブが地域にもたらす効果について調査研究をする機関もあるようでございます。ザスパ草津を生かしたまちづくりについては、何としても本市の活性化につなげるためにも当該機関等の協力も得ながら、本市の特性を踏まえ独自の目線でさまざまな効果を分析、調査の上、さらなる連携強化をお願いをいたします。
 次に、ザスパ草津の強化のためには練習環境の整備が必要であると思います。試合会場は天然芝のグラウンドでありますが、練習場は人工芝であります。練習は本番と同じ環境で行うのが理想的でありまして、人工芝は基礎がコンクリートのため、どうしてもけがなどのリスクが大きいということでございます。そこで、まず市とスポンサー、チームが一体となり練習環境を整えることが本市活性化への第一歩につながると考えますが、ご所見をお伺いいたします。

【政策部長(板井稔)】 練習環境の整備についてでございますが、専用の天然芝の練習場をつくるということになりますとイニシャルコスト、整備ですけども、これにお金がかかります。また、グラウンドを維持するためのランニングコストも多額な費用が必要になってまいります。本格的な練習場の整備には全県的な応援体制が必要でございまして、県を中心に県内各市町村が連携してそれぞれの立場でできることから実行していくことが必要ではないかと考えております。

【20番(中島資浩議員)】 北関東自動車道の全線開通を来年に控えまして、交通の要衝となる本市に充実した練習環境が整備されれば、おのずと多くの競合チームがこの地域に集まることとなりまして、ひいてはザスパ草津のレベルアップが図られると、副次的な効果も期待できるということでございます。課題は多いかもしれませんが、ぜひ前向きなご検討をお願いいたします。
 また、ザスパ草津を市民クラブと位置づけ、市を挙げて応援体制づくりも大変重要であると考えます。そこで、中心商店街協同組合や周辺商店街連合会等と連携をいたしまして、各商店街にタペストリーやフラッグを掲げることも一案と考えますが、ご所見をお伺いいたします。

【政策部長(板井稔)】 中心商店街あるいは周辺商店街とザスパ支援との連携についてでございますが、ホーム戦にあわせまして地元の商店がいわゆるのぼり旗を店先に掲げるとともに、中心商店街では観戦者に対する駐車サービスを実施するなどしております。ザスパ草津を応援する地域からの支援が徐々にではございますが、広がりを見せてきているところでございます。こうした地域からの協力を得るためには、ザスパ草津側から地域貢献に対する姿勢を理解してもらうことが重要であると考えております。今後ともザスパ草津の地域貢献活動の拡充に対しまして、連携を図りながら中心商店街など関係する地域の方々へ応援、協力を働きかけてまいりたいと考えております。

【20番(中島資浩議員)】 Jクラブチーム数は、現在全国で37ということでございまして、これは全国1,800余の自治体がある中でその一つが本市にホームスタジアムを置いているということは大変ありがたいことであり、またこれは本市にとっても大変貴重な地域資源であると思います。ぜひザスパ草津を本市活性化の貴重な試金石ととらえ、ザスパ草津を生かしたまちづくりに取り組んでいただきますようお願いをいたします。
 次に、公共交通を生かしたまちづくりについてお尋ねをいたします。現在公共交通マスタープランの策定に向けて取り組まれているということでございますが、大変期待をしております。先日総務常任委員会の行政視察で八戸市の公共交通政策について調査を行いましたが、担当者の公共交通政策に対する並々ならぬ熱意というものを感じました。そこで、公共交通マスタープラン策定に向けての決意並びに乗車率の目標値と公費負担の割合についてお尋ねをいたします。

【政策部長(板井稔)】 公共交通マスタープランの策定につきましては、本市の公共交通の諸課題に対する運行方針やルール化など、今後の公共交通サービスのあり方を見定めるものでございまして、非常に重要なものと認識しておりますので、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。
 また、乗車率の目標値と公費負担の割合などの目標数値につきましては、それぞれの地域の特性を踏まえた中で合理的な指標づくりを公共交通マスタープラン策定協議会の中で議論してまいりたいと考えております。

【20番(中島資浩議員)】 今後公共交通政策を進めるに当たっては、高齢者の運転免許証自主返納制度を踏まえた交通弱者対策を初め、環境対策、中心市街地の活性化策等、総合政策的な視点から財政的にも公共交通を支える覚悟も必要と考えております。ぜひ公共交通マスタープランの策定に当たっては、行政としても公共交通を守るといった覚悟を持ち、大局的な見地に立って臨んでいただきたいと思います。
 また、今後の公共交通政策のポイントは、例えば原則市内一律200円程度の低料金体系の導入、15分から20分間隔での運行本数の確保、さらには早朝から深夜までの運行体系の確立等、利用者にとっての利便性の向上も必要と考えておりますけども、ご所見をお伺いいたします。

【政策部長(板井稔)】 お話にございました市内均一の低運賃体系の導入、あるいは高頻度運行による利便性向上策につきましては、社会情勢の変化に伴うバス利用者の減少によりまして、路線バスを存続するための行政負担の増大が全国的な課題となっているところでございます。本市も現在市内41路線のうち24路線が市の委託路線として運行しておりますけども、このバス運行を維持するための市の負担は年々増加しておりまして、現在約3億円に近い負担となっております。こうした点から、当面は市民ニーズの把握に努めながら、採算性や効率性の視点も踏まえ、利用者増につながる見直しを進めてまいりたいと考えております。

【20番(中島資浩議員)】 費用対効果の基準をどこに置くのかということも大変難しい判断になろうかと思いますが、利便性の向上も利用者増には大変重要な要素のため、十分な配慮をお願いをしたいと思います。
 さらに、今後の公共交通政策を進める上で民業圧迫にならないよう配慮が必要と考えますが、その点についての現状と今後の考え方についてお伺いをいたします。

【政策部長(板井稔)】 公共交通で民業圧迫に対する配慮につきましては、民間主体の運行が継続できますよう、側面的な支援と市の委託路線とのすみ分けを考える必要がございます。具体的な方針といたしましては、委託路線とは地理的な競合を避けまして、運賃の設定についても整合性を保つなど、多様な交通手段が共生できる公共交通体系を今後目指してまいりたいと考えております。

【20番(中島資浩議員)】 官民一体の相乗効果を期することも必要不可欠と考えます。そのためにも官と民の役割分担をしっかりとお願いをしたいと思います。
 最後に、現在市ではエコ通勤として自転車通勤を奨励をしておりますが、まずは職員にも協力を求め、バスや電車による通勤者をふやすことができないかと考えておりますけども、いかがお考えかお聞かせください。

【政策部長(板井稔)】 市の職員に対してのバス通勤の奨励につきましては、本市では昨年度11月の7日間、県の取り組みでございますエコ通勤ウイークに参加いたしまして、マイカー利用から公共交通機関の利用などへ転換するよう市の職員に呼びかけたところでございます。このような環境や健康などに配慮した交通行動、いわゆるモビリティーマネジメント施策の中で市職員はもとより、多くの市民の方々に公共交通の利用をお願いしてまいりたいと考えております。

【20番(中島資浩議員)】 本市のバス路線の多くが前橋駅を中心に中心市街地を経由しておりまして、コンパクトシティーづくりの一環として公共交通を生かしたまちづくりを進めることにより、中心市街地の活性化が図られ、ひいては本市の活性化につながるものと考えております。ぜひできることから積極的な取り組みをお願いをいたします。
 次に、小中学校における旅行、集団宿泊的行事について、まずその主なものと、また目的についてお伺いをいたします。

【指導部長(清水弘己)】 まず、小中学校の遠足、旅行、集団宿泊的行事のねらいについてでございますが、平素と異なる生活環境にあって見聞を広め、自然や文化などに親しむとともに、集団生活のあり方や公衆道徳などについて望ましい体験を積むことができるような活動を行うということをねらいとしております。例えば小学校低学年では、ぐんまフラワーパーク、桐生が岡公園、高学年ではぐんま昆虫の森、県内宿泊体験施設等での体験活動を行っております。さらに、6年生のときには江ノ島、鎌倉、横浜八景島、国会議事堂等を中心に修学旅行を1泊で実施をしているところでございます。また、中学校では1、2年生で赤城林間学校やグループ体験学習を行い、3年生の修学旅行では奈良、京都方面に2泊3日で出かけております。さらに、平成20年度からの県の施策で尾瀬学校を実施しており、参加する学校もふえているところでございます。以上です。

【20番(中島資浩議員)】 先ほどのご答弁によりますと、修学旅行として市内小学校では1泊で主に江ノ島、鎌倉方面、中学校では2泊3日で主に奈良、京都方面に行っているようでございます。いずれも日本の伝統文化や歴史に触れるといった点では重なるところがあるように思います。高額な費用をかけ実施する修学旅行は大変貴重なものであります。それだけにしっかりとしたコンセプトのもとで行う必要があろうかと思います。そこで、義務教育期間に1度は平和教育の一環として広島や長崎に行くことも大変意義深いと考えておりますが、ご所見をお伺いいたします。

【指導部長(清水弘己)】 ご指摘の広島、長崎への修学旅行につきましては、被爆地において我が国の平和主義についての理解を深め、戦争の防止、世界平和に対する熱意を育てるという点では意義があるわけでございますけれども、文部科学省通達には修学旅行にあってはゆとりある計画を立て、児童生徒の疲労の軽減を図ること、経費をなるべく低廉とすることとあります。移動時間や費用、児童生徒の体力等の問題を考えますと検討しなければならない課題が少なくないというふうに思います。さらに、現在沖縄への修学旅行を実施している高校も多く、平和主義と国際社会については高等学校におきまして学習する機会が与えられているという点もあわせ考えまして、方面の決定につきましては各学校において検討委員会で十分検討し、適切に判断していくよう指導してまいりたいというふうに考えております。

【20番(中島資浩議員)】 県内中学校にも修学旅行で広島を訪れているところもあるようであります。また、ある中学校では昨年たまたま新型インフルエンザの流行の関係で例年5月に行っていた修学旅行を9月に行いましたところ、5月であれば京都、奈良までしか行けない費用で広島まで行けることがわかったために、来年度から9月に修学旅行を行うこととし、広島を訪れることとしたという話も聞いております。より有意義な修学旅行となるよう調査研究をお願いをしておきます。
 また、県は平成20年度より地球温暖化等の問題を重視し、環境教育の重要性が高まっている昨今、群馬の子供に一度は環境教育の場として最適な尾瀬を訪れさせ、質の高い自然体験を目的に尾瀬学校を実施しております。原則児童生徒おおむね8名に1名分の尾瀬ガイド料とバス借上料1日分、実費が補助金として交付されているということでございます。環境教育の観点から、子供たちが尾瀬を訪れることは大変意義深いと思いますが、本市の小中学校における尾瀬学校の実施状況についてお伺いをいたします。

【指導部長(清水弘己)】 尾瀬学校は、県の施策で平成20年度より始まりました。市内小中学校実施校数は、平成20年度12校、21年度19校、22年度22校となっており、毎年参加する学校はふえてきております。以上です。

【20番(中島資浩議員)】 実施校が年々ふえているということは大変うれしいことでございますが、現状では一部に限られているということであります。できれば市内すべての子供たちが義務教育期間のうちに最低1度は尾瀬を訪れる機会を与えていただきたいと思いますが、ご所見をお伺いいたします。

【指導部長(清水弘己)】 尾瀬学校では、専門のガイドを伴った体験活動をすることで自然の宝庫である尾瀬の環境について考え、自然を守ることの大切さなどへの理解を深めることができるというふうに考えております。そこで、教育委員会としましては小中学校在学中に児童生徒が1度は尾瀬での体験ができることが望ましいということで、各学校が年間授業時数の確保を前提に小中学校9年間の体験活動を見通して教育課程の中に位置づけた上で実施することができるように働きかけてまいりたいというふうに考えております。

【20番(中島資浩議員)】 前向きなご答弁をいただき、大変うれしく思っております。ぜひそのようにお願いをしておきます。
 続きまして、都市計画道路県庁群大線についてお尋ねいたします。県庁群大線については工事も大分進んできたようでございます。

【議長(岡田修一議員)】 時間になりました。

【20番(中島資浩議員)】 時間が参りましたので、以上で質問を終わります。ありがとうございました。

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