2004.07.21 : 平成16年第2回定例会(第3日目) 本文

【2番(中島資浩議員)】 まず初めに、JFLチームのJリーグへの昇格に向けた対応についてお尋ねいたします。

 アマチュアサッカー界の最高峰である日本フットボールリーグJFLに本年度、本県からザスパ草津、群馬FCホリコシが初参戦しております。そして、今期好成績、原則として2位以内をおさめれば、プロサッカーリーグであるJ2入りが可能となっております。特にザスパ草津は現在2位につけていることから、来期県内初Jリーグチームの誕生がにわかに現実味を帯び、県民の期待も大変高まってまいりました。そこで、こういった本県のサッカー界の動きについて、本市はどのように受けとめておられるか、まずお伺いいたします。

 また、J2ヘの昇格に向けて、現在大きな課題となっておりますのが、Jリーグ公式戦が開催可能なスタジアムの確保であり、早ければ来春までという時間的制約がある中で、その基本条件となるのが、一つ、ピッチが常緑の天然芝で原則として縦105メートル、横68メートルであること。2、収容人員がJ2で1万人以上、J1で1万5,000人以上であること。3、平均1,500ルクス以上の照度を持つ照明装置を設置していることの3点とされております。そして、この3点を最も合理的、経済的にクリアするためには、県立敷島公園陸上競技場の改修であると仄聞しております。仮にそうなりますと、本市としても競技場周辺における駐車場の確保問題や駅から競技場までの交通アクセスの問題等々、幾つかの喫緊の課題が浮上してまいります。そこで、仮に敷島公園陸上競技場がホームスタジアムとなった場合、本市としてもこれを前向きにとらえ、受け入れ態勢の整備や支援策、活性化策等、諸問題に取り組むべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

 次に、小中学校教室における扇風機の設置についてお尋ねいたします。このところの異常気象、地球温暖化傾向の影響からか、本年の梅雨は記録的な少雨となり、例年にも増して早くから猛暑が続いておりますことはご案内のとおりであります。そういった中で、子供たちの学習環境を憂い、小中学校の教室に扇風機の設置を求める多くの声が寄せられております。そこで、まずこれまで教室の室温調査を実施しているかお伺いいたします。また、ことしのような夏場における教室内の室温について、快適な学習環境の確保と児童生徒の健康管理上の観点から、現状をどのように認識しておられるかお伺いいたします。さらに、扇風機を設置した場合の経費試算についてあわせてお伺いいたします。

 次に、後退道路についてお尋ねいたします。後退道路につきましては、さまざまな緊急時の対応に支障が生じることのないよう、4メートルの道路幅員を確保すべく、建築基準法に基づき、建築の際、後退することとなっております。しかし、その後の後退道路に関する所有権や管理について市民の方々から大変わかりにくいとの指摘をいただくことが多くなっております。その一因は、建築後退し、後退道路となった部分の私的利用が大幅に制約されるにもかかわらず、原則として行政がその部分を買い取る制度がないこと、また後退したにもかかわらず、その後の手続によっては後退道路部分が速やかに道路として舗装されることなく、その管理責任の所在があいまいとなり、放置されることにあると考えます。そこで、この点についてどのようにご認識されておられるか、ご所見をお伺いいたします。

 次に、あいのやまの湯についてお尋ねいたします。昨年12月のオープン当初は、土日を中心に大変な盛況ぶりであったと仄聞しております。しかし、公営、民営を問わず、同種の日帰り温泉施設が増加傾向にある中で、今後いかに安定的に利用者を確保し、健全な運営を維持していけるか、その真価が問われるのはこれからになるかと思われます。そこで、まずこれまでの利用状況と1年間の利用者見込みについてお伺いいたします。また、あわせて曜日ごと、時間帯ごとにおける利用者数の傾向についてお伺いいたします。

 最後に、環境都市宣言についてお尋ねいたします。このたび高木市長さんのリーダーシップのもと、環境都市宣言がなされることは水と緑と詩のまちを標榜する本市にとって率直に大変意義深いことであると認識しております。しかし、本当に大事なのは宣言を形にしていくこれからの対応であることは言うまでもありません。そこで、今後環境都市宣言をどのように具現化するお考えかご所見をお伺いいたしまして、第1質問を終わります。

【市長公室長(根岸雅)】 県内JFLチームでございますザスパのJリーグ昇格の可能性が出てきているということにつきまして、これは報道等でもご案内のとおりでございます。多くのサッカーファンがJ2の昇格を望んでいるものというふうに思っておるところでございます。

 なお、このJ2昇格につきましては、ザスパがJリーグに申請するものでございますが、この申請にはクラブが自立、運営できるよう法人化が義務づけられていること、特定の市町村をホームタウンと定め、地域のスポーツ振興に努め、ホームタウンと一体となったクラブづくりを行うこと、プロ契約選手、ライセンスを持つ指導者を保有すること、要件を満たす競技場を確保し、良好な状態でホームゲームを行うことなどいろいろな条件があるようでございます。また、群馬県サッカー協会からは群馬県議会に敷島公園県立競技場改修工事についての請願が出されているとのことでございます。こうした状況の中で、県におきましては産業政策課ほか関係課を中心といたしまして、草津町、前橋市、住民を交えましたJリーグ発新ぐんま活性化プロジェクトを立ち上げまして、Jリーグ昇格に必要な競技場問題や集客確保、地域の協力関係など諸課題の検討を始めておるところでございます。現時点におきましては、競技場問題も決まっておりませんし、ザスパのホームタウンが草津であるということもございますので、このプロジェクトでの検討の具体化に合わせまして、本市といたしましても、どう対応していくべきか、県とも協議をさせていただきながら検討を進めまして、市民の理解が得られるような方向性を定めてまいりたいというふうに考えております。

【管理部長(中原惠治)】 最初に、普通教室におきます室温調査の実施状況についてでございますが、平成14年の7月、9月の2回、小中学校の普通教室を対象に室温調査を実施いたしました。その結果、月平均で7月が28.3度、9月が26.9度でありまして、外気温とほぼ同程度の室温状況でございました。

 なお、昨年は冷夏のために実施はしておりません。

 次に、健康管理上の観点における現状の認識についてでありますが、本年につきましては梅雨らしい日もないまま梅雨明けとなりまして、気温が30度以上の日が連日続いている状況であります。このような天候は近年もなく、異常な状態と言わざるを得ないと考えておりまして、この現状から申しますと、児童生徒の学習環境、健康管理上も望ましい教室環境とは言いがたいと考えております。

 次に、設置経費についてでございますが、1教室当たり扇風機4台を小中学校の普通教室や実際に児童生徒が学習している教室と少人数指導を実施している教室など合わせまして890教室に設置をした場合、1教室当たりの工事費を概算約25万円として試算をいたしますと、総額で2億2,250万円程度が見込まれます。

【都市計画部長(高畑時彦)】 後退道路の関係でございますが、住宅等を建設する際に後退した用地につきましては、狭隘道路の解消に有効な利用とされております。ほとんどの場合は、個人の所有地として管理されておる状況でございます。建築を行う際には、前橋市後退道路整備要綱に基づきまして申請されますと、土地所有者から道路後退用地を無償で借用いたしまして、市が道路舗装整備及び維持管理を行っている状況でございます。

 ご質問の後退道路の買い取りにつきましては、効果的な方策であると思いますが、所有者の方の考え方、財政状況等ございますが、今後さらなる方策につきまして関係各課と研究してまいりたいというふうに考えております。以上です。

【建設部長(荒井弘行)】 あいのやまの湯のこれまでの利用状況及び利用者見込みについてお答えいたします。

 これまでの利用状況についてでありますが、昨年の12月26日開館以来3月31日までの入館者数は10万6,000人でありました。今年度6月末までの3カ月間の入館者数は約7万人で、1日平均821人となっております。なお、年間の来館者数は28万人を見込んでおります。

 次に、曜日、時間帯による利用者の傾向についてでありますが、今年度4月から6月の3カ月間においては、土曜、日曜日が約46%、平日が54%となっており、土曜、日曜日に利用者が多くなっております。また、時間帯による利用者の傾向といたしましては、2時間の単位ですけども、10時から12時までの入館者数が23%、午後1時から3時まで、午後3時から5時まで、5時から7時までの入館者がそれぞれ19%、7時以降は9%となっております。

【生活環境部長(高橋喜紀)】 環境都市宣言の具現化についてでございますが、本市では平成12年3月に環境基本条例を制定するとともに環境基本計画を策定し、これらに基づき、環境行政を推進しておるところでございます。具体的には大気汚染常時監視局の整備、自然環境調査の実施等の諸施策に取り組んでまいってきております。今回環境都市宣言をいたすことにより、環境基本計画の一層の具現化に努めていきたいと考えております。その一番の基本は、市として率先実行すること、さらに市民並びに事業者の協力をいただきまして、環境事業を進めることと考えております。市民の皆様、事業者の皆様、さらには環境関連団体等からのご提言もいただきながら、宣言倒れにならないよう具現化に向け、努めてまいりたいと考えております。

【2番(中島資浩議員)】 ありがとうございました。第2質問させていただきます。

 初めに、小中学校教室における扇風機設置について、さらにお尋ねをいたします。先ほどのご答弁によりますと、平成14年の7月と9月に小中学校普通教室を対象に室温調査をした結果、外気温とほぼ同程度の室温状況であったということでありました。そうなりますと、外気温が例えば35度以上に達したとき、室温も同様の状態ということになったと思います。事態はますます深刻であると言わざるを得ません。県内11市では、既に高崎市、富岡市、安中市、桐生市の4市で扇風機を設置しており、また多くの保護者等からも設置要望がある中で、扇風機の設置は先刻申し上げましたとおり、より快適な学習環境の整備、そして何よりも児童生徒の健康管理上の観点から大いに妥当性を有する事業であり、多くの市民の方々の理解が得やすく、学校教育上の最優先課題の一つであると認識をしております。また、先ほどの試算によりますと、1教室当たり25万円で約2億2,250万円とのことでありましたけれども、さきの4市の設置経費を見てみますと、1教室当たり約15万円ほどのところもございます。以上申し上げましたさまざまな観点から、本市においても早急に整備の方向性での積極的な取り組みを期待しているところであります。そこで、この問題について教育委員会に係る最優先課題として、来年度整備の方向で前向きに取り組む時期に来ていると認識しておりますが、ご所見をお伺いいたします。

 次に、あいのやまの湯についてさらにお尋ねいたします。先ほどのご答弁によりますと、オープン当初の3カ月に比べ、このところの3カ月の入場者数は約3割減となっているようであります。しかし、このままのペースを維持できれば、年間利用者見込み数の28万人はクリアできると思われますが、この先の利用者数の推移によっては、予断を許さない状況であると考えます。

 一方、利用者の曜日ごと、時間帯ごとの傾向としては、圧倒的に土日に集中し、また夜7時以降の時間帯が日中の時間帯の半分以下と少ない傾向にあります。そこで、まず民間のスポーツジム等で見受けられるような利用率の低い曜日、時間帯における割引制度を設け、利用者増を図るのも一考に値すると考えますが、料金体系の見直しについてご所見をお伺いいたします。また、幾つかの県内同種の公的温泉施設の料金体系を見てみますと、子供料金のほか、ハンディのある方々に対する割引や高齢者の方々に対する割引料金制度が見受けられます。そこで、本市でもこれらの方々に対する割引料金制度を導入するべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

 さらに、あいのやまの湯は本市では健康づくり温泉施設と位置づけられております。腰痛を抱え、継続的に温泉療法を必要とする方々からの声でありますが、あいのやまの湯のバーデプールが、腰痛のリハビリにはほかのいずれの公的温泉施設よりも適しており、でき得れば毎日でも通いたいという声がありますが、1日500円かかる今の料金体系では、到底それはかなわず、年間使用料が設定されている他市の公的温泉施設に通っているとのことであります。そこで、健康づくり温泉施設という位置づけに照らし、多くの市民の皆様にリハビリ目的でも大いに利用していただくべきであり、こういった方々が利用しやすい年間使用料あるいは月間使用料制度を導入してみてはと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

 最後に、環境都市宣言についてさらにお尋ねいたします。先ほどのご答弁から環境都市宣言の具現化に向けた取り組みの中身は、まさにこれからと解釈いたしました。しかし、その具現化に向けては所管である環境課が先導役となって、これを全庁的な取り組みにしていくことが、当面かつ必須の取り組み課題であると考えます。そこで、環境都市宣言の具現化に向け、どのように全庁的な取り組みを行っていくお考えかご所見をお伺いいたしまして、第2質問を終わります。

【管理部長(中原惠治)】 扇風機の設置についてでありますが、市議会各派を初め保護者等からも設置に対する要望がございます。夏場の児童生徒の教育環境を改善する手法として期待をされているところでございます。現在までは校舎の安全性の確保を最優先事項として耐震診断結果をもとにした校舎の耐震補強工事や外壁落下防止工事に取り組んできております。今後児童生徒の安全にかかわる事業を優先する中で、進捗状況を見ながら扇風機設置について検討してまいりたいと考えております。

【建設部長(荒井弘行)】 あいのやまの湯の料金についての利用者の利用方法、割引制度等についてお答えいたします。

 あいのやまの湯の料金につきましては、12歳以上及び12歳未満の子供の料金がそれぞれ3時間利用、1日利用の区分、また11回分の回数券の3種類の設定となっております。ご質問にありましたとおり、利用料金につきましては、障害者の方々の割引、お年寄りの割引、さらには午後7時以降の2時間での料金設定などさまざまな要望がございます。利用者のサービスの向上及びリピーターの確保の観点から、また設置の趣旨、温水利用健康づくり施設といったようなことからも、今後利用形態等を勘案し、料金の設定について検討していきたいと考えております。

【生活環境部長(高橋喜紀)】 全庁的な推進体制についてでございますが、環境基本計画を推進するに当たりましては、助役以下で組織されている庁内組織として、環境基本計画推進委員会がございます。また、現在地球温暖化防止実行計画やグリーン購入調達方針の推進に取り組んでおりまして、その推進体制についても庁内組織が図られておりますとともに、進行管理も行っておるところでございます。したがいまして、今後とも環境基本計画推進委員会を初め、庁内組織を通じて全庁的な連携に努め、環境都市宣言の具現化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

【2番(中島資浩議員)】 ありがとうございました。最後に、何点か要望させていただきたいと思います。

 まず、県内JFLチームのJリーグへの昇格に向けた対応についてであります。現在Jリーグを目指してザスパ草津と群馬FCホリコシがJFLに参戦しておりますが、ご案内のとおり、ザスパ草津が現在J2への昇格圏内である2位につけております。ザスパ草津は、特に日本を代表する温泉地草津町をホームタウンとし、選手の多くが温泉や旅館で働きながらJリーグを目指しているという地道で、なおかつ草の根的な存在が多くの国民の皆様方から好感を持たれ、全国各地に熱狂的なファンがいるということであります。そのことは本年4月の本県での最初の試合でJFL史上最高の1万1,935人の観客を動員したことにもあらわれております。こういったチームのホームスタジアムが本市に置かれた場合、本市の活性化、にぎわいづくり、観光振興等にもたらす波及効果ははかり知れないものがあると思います。また、幸い本市には前橋育英高校、前橋商業高校等、高校サッカーの名門である2校が存在し、そこで育った多くの選手が全国各地のJリーグチーム等で活躍しておりますが、地元にプロサッカーチームが誕生することによって、その受け皿にもなりますし、サッカーの盛んな地域性からすれば、今後ますますチーム強化が図られ、近い将来、J1入りも決して夢ではないと思います。さらに、プロのスポーツチームが存在することによって、本市の知名度アップも期待できます。ぜひこの好機をとらえ、県さらにはザスパ草津とも連携し、本市の活性化につなげていただきますよう要望をいたします。

 次に、小中学校教室における扇風機の設置についてであります。耐震補強工事の重要性はよくわかります。しかし、市民の代表機関である市議会各会派から、あるいは多くの保護者の皆様から扇風機の設置を望む切実な声があります。耐震補強工事を理由に扇風機の設置は後回しというのでは、ちょっと納得がいきません。また、子供のことを最優先に考えるべき教育現場で、職員室にはエアコンが設置され、教室には扇風機さえも設置されていないというのはやや腑に落ちない面もございます。再三申し上げましたとおり、扇風機の設置は、より快適な学習環境の整備、そして何よりも児童生徒の健康管理の観点に主眼があります。このところの猛暑を通り越し、まさに酷暑の毎日です。ぜひ来年度の設置に向け、本日この本会議にご出席されております市長さん初め教育長さん、すべての市幹部の皆様方にご理解とご協力を心からお願いをいたしまして、すべての質問を終わります。ありがとうございました。

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