2004.09.14 : 平成16年第3回定例会(第3日目) 本文

【2番(中島資浩議員)】 まず初めに、ねんりんピックぐんまに向けた対応についてお尋ねいたします。 ご案内のとおり、第17回全国健康福祉祭群馬大会、通称ねんりんピックぐんまがいよいよ来月10月16日から19日までの4日間、県内23市町村において25種目の各種交流大会が開催されます。ねんりんピックの愛称で親しまれているこの大会は、厚生省、現厚生労働省の創立50周年を記念して昭和63年から開催されており、スポーツや文化、芸術活動など多彩な催しを通じて高齢者を中心とする国民の健康の保持、増進、社会参加、生きがい等の高揚を図り、触れ合いと活力ある長寿社会の形成に寄与することを目的として毎年開催されている全国規模の祭典であります。本市では、総合開会式、総合閉会式を初め、弓道、テニス、水泳の3種目の交流大会が開催されるほか、シンポジウム等、各種イベントの開催も予定されております。群馬県の実行委員会事務局では、大会期間中、選手団を初めとする1万人規模の大会関係者と延べ50万人にも上る観客を想定しているところであります。こういった中、この大会によってもたらされる経済効果については、仮設会場の設営費や大会関係者の宿泊、飲食、土産代等々少なく見積もっても50億円規模に及ぶと見込まれており、本市に与える大変大きな経済波及効果も期待されます。そこで、まず本市に関係する大会関係者と延べ観客数をどのように見込んでいるか、またどのような効果を期待しているかお尋ねいたします。

 次に、観光政策についてお尋ねいたします。本市は今後予定されております合併に伴いまして、全国に名だたる赤城山を初め、赤城南面のテーマパーク等、いわゆる観光資源が大幅にふえることとなります。そこで、これらの観光資源をどのようにとらえ、あるいは位置づけし、これをどう生かしていくお考えか、またこれをどのような形で発信し、PR、アピールしていくお考えかお伺いいたします。 また、再三申し上げておりますが、私は前橋の魅力である水、緑、詩、れんがも前橋の誇る貴重な観光資源であり、これからはこれらを生かした都市観光といった視点も本市の観光政策としては大変重要な視点であると考えます。そこで、この都市観光の視点に立った本市の基本的考え方についてお伺いいたします。 さらに、本市の魅力を全国に発信するためには、メディア効果は大変大きく、これに着眼していく必要があると考えます。これまでに本市でも数多くのテレビ番組や映画の撮影がなされていることと思います。過日現在県立前橋工業高校跡地において、約1カ月に及ぶ映画のロケが進められているとの新聞報道がなされました。そこで、本市としてこれまでそういった動き、情報を把握されているかお伺いいたします。

 最後に、環境病対策についてお尋ねいたします。第1に、農薬の散布についてであります。このところシックハウス症候群、シックスクール症候群、化学物質過敏症といったいわゆる環境病が大変深刻な問題となっております。これは殺虫剤やプラスチックの燃焼剤など、私たちの身の回りで幅広く使われております有機燐系化合物が体内でさまざまな酵素の働きを阻害し、主に脳神経系の機能に影響を及ぼし、心と体のバイオリズムに変調を来すことがその原因と考えられております。酵素が繰り返し阻害されると、微量の有機燐にも反応し、症状が重くなる場合もあり、患者によって症状は異なりますが、まず倦怠感、頭痛、吐き気、目まいなどの自律神経系、視力の低下など目の異常、その後うつ的な症状、情緒不安定、思考力、記憶力の低下、睡眠リズムの障害など精神機能系の症状が出るとのことであります。また、殺虫剤によっては花粉症やぜんそくのような発作が悪化し、化学物質過敏症になる場合もあるとのことであります。化学物質過敏症になりますと、私たちの身の回りに存在しているさまざまな種類の微量な化学物質に反応して苦しむこととなり、仕事や家事ができない、学校に行けないなど通常の生活さえ営めなくなる極めて深刻な症状とされております。 これらの問題に関連して、平成15年9月16日付で農林水産省の消費・安全局から住宅地等における農薬使用についての通知が出されているところでありますが、これは農薬の飛散が原因で、地域住民や子供たちの健康被害が多発していることを踏まえ、農薬の飛散防止措置を講ずるよう努めなければならない旨を規定しているものであります。そこで、本市ではこの通知書を受け、どのように対応し、またどのように周知徹底を図っているかお伺いいたします。また、いわゆる環境病の原因の一つが農薬と考えられておりますが、これをどのように認識されておられるか、ご所見をお伺いいたします。さらに、本市では子供たちと密接にかかわる学校や公園、通学路等において農薬の使用はどのようになっているかお伺いいたします。 第2に、シックスクール対策についてであります。校舎に漂う化学物質で頭痛などの症状が出るシックスクール症候群といった病気も、いわゆる環境病の一つであります。原因の一つとして、床清掃用のワックスに含まれる有機燐系化合物が挙げられております。そこで、教育委員会としてこれをどのように把握されているか、またこれにどのように対応しておられるか、さらには今後の取り組みのお考えもあわせてお伺いいたしまして、第1質問を終わります。

【保健福祉部長(中野浩)】 ねんりんピックに関係いたしまして、ご答弁をさせていただきます。 本市で開催されますテニス、弓道、水泳の各交流大会には、選手、監督約1,100人がエントリーをしております。また、総合開会式を初めさまざまな催し物が本市を中心に開催されることから、多くの観客等が見込まれますので、その経済効果は大きなものがあるというふうに考えております。

【商工部長(養田雅香)】 観光政策について観光資源をどう生かしていくか、都市観光のあり方についての基本的な考え方、あるいはメディア効果等をどう生かしていくかという視点でご質問いただきました。現在観光推進につきましては、広域町村合同でのキャンペーンの実施、共有ホームページの情報発信などの事業展開をし、各市町村イベントの連携、協力を図りながら観光振興に努めております。今後合併により、新たな観光資源が生まれます。新しい観光ルートの確立を、また地域の活性化につながるようさまざまな視点で研究、検証を重ねて、積極的な観光振興に努めてまいりたいというふうに考えます。また、都市観光、町観光の推進につきましても、観光振興上として重要であると考えております。現在詩碑めぐり、歴史散歩といった観光事業におきまして、参加者から新たな発見をし、感銘を受けたとの声も多く聞いております。都市観光を進める上では、まず市民に愛され、自分の住んでいる都市への、まちへの愛着や誇りを持って、さまざまな人々と交流をし、楽しいまちとしての環境整備や情報発信が重要であると考えております。今後も水と緑と詩のまちをキャッチフレーズに、自然環境を初め歴史、文化、イベント、さらに県都としてのコンベンション機能を生かした観光振興に努めてまいりたいというふうに考えております。 次に、市内でのテレビ番組あるいは映画の撮影の状況、実情把握等についてのご質問ですが、メディア効果につきましては、さまざまな事例により情報発信による観光客の増加、地域経済効果は大きいものと思います。市といたしましても、以前にテレビドラマ等の撮影に数回協力をした事例もあるようですが、すべてを把握できてはおりません。 なお、テレビ、映画、ラジオなどのメディア効果についても今後十分検証し、関係機関に対しても効果的な情報提供と情報確認に努めてまいりたいというふうに考えます。

【農政部長(瀬戸紀一)】 農薬散布についてでありますが、市で行う松くい虫防除につきましては、事前に文書等をもって農薬散布周辺の住民や学校、病院等へ周知を図り、実施しておりましたが、住宅地等においては薬剤散布方法そのものを見直し、地上散布から飛散の少ない樹幹注入に変更していく考えでおります。また、農業関係につきましては、農薬取締法等における登録農薬の使用と使用基準の遵守を徹底するよう農協等と連携を図り、万全を期しております。 さらに、市民の方が農薬を使用する場合につきましては、関係部課と協議し、薬剤散布方法について市広報等により周知してまいりたいと考えております。 次に、農薬が原因で、いわゆる環境病が発生していることについてでございます。現段階におきましては、農薬との因果関係は科学的に証明はされておりません。化学物質と生活環境中の物質が関与していると聞いています。

【管理部長(中原惠治)】 学校における農薬の使用状況についてでございますが、アメヒトの駆除につきましては、用務技士を中心として早期に発見し、摘み取り駆除を行っております。また、アメヒトが多量に発生した場合には、学校長の判断により農薬を使用することはございますが、この場合においては近隣関係者によく周知をし、金曜の放課後や土曜、日曜に駆除を行うよう指導しております。

【建設部長(荒井弘行)】 農薬の散布、公園、通学路の農薬使用についてお答えいたします。 剪定あるいはガスバーナーで焼却しており、農薬の使用は避けております。しかしながら、剪定や焼却で処理できない場所、場合等、やむなく農薬を使用する場合があります。この場合、環境に影響が少ないとされている薬剤を使用しております。また、散布に当たっては、飛散防止のため、風の強い日、風向きによっては散布を避けております。なお、散布に当たっては、教育委員会に連絡し、周辺の学校に周知をお願いしております。

【指導部長(平澤明)】 シックスクール対策についてでありますけれども、化学物質過敏症は原因はさまざまでありますが、学校環境もその一つと考えられることから、適切な対応を講ずる必要があると考えております。毎年4月には健康調査や家庭訪問、保護者との健康相談から化学物質過敏症の児童生徒を把握しております。化学物質過敏症の児童生徒がいる学校では、対応の方法としてはワックスをかけずに水ぶきにしたり、有機燐酸の入っていないワックスにしたり、日常的に換気に注意を払ったりするなど指導し、健康被害を防いでおります。また、児童生徒に化学物質過敏症の疑いが出た場合は、学校薬剤師会等に相談をし、環境検査をしております。新築、改築、改修等を行った際には、ホルムアルデヒド及び揮発性有機化学物の濃度が文部科学省の学校環境衛生の基準以下であることの確認の徹底をしております。今後も情報収集に努めるとともに、医師会、薬剤師会とも連携をして児童生徒が安全な環境で健康な生活が送れるよう努めてまいりたいと考えております。

【2番(中島資浩議員)】 ありがとうございました。初めに、ねんりんピックぐんまに向けた対応について、さらにお尋ねをいたします。 先ほどのご答弁によりますと、本市で開催されます弓道、テニス、水泳の各交流大会には、選手、監督約1,100人がエントリーをしているということでありますが、本市ではほかに総合開会式、総合閉会式を初めシンポジウム等の各種イベントの開催も予定されておりますことから、実際には大会関係者の多くが本市を訪れることが予想されまして、本市の魅力をPRするには絶好のチャンスであるというふうに考えております。 そこで、全国各地から訪れる選手並びに大会関係者の方々に対し、前橋のPRについてどのようにされるか、ご所見をお伺いいたしたいと思います。また、ねんりんピックぐんまの開催まで残すところあと一月余となりましたが、これまでの準備状況と今後の取り組みについてお伺いをいたします。

 次に、観光政策について、さらにお尋ねをいたします。第1に、周辺市町村との連携についてであります。本市周辺には全国的にも知られる伊香保温泉があり、また本市から1時間ほどの県内エリアには日本を代表する避暑地である草津温泉や軽井沢等も存在しております。今後はこれらの観光スポットとの回遊ルート化、例えば伊香保を訪れた方に前橋市にも足を伸ばしてもらえるような工夫、仕掛けづくりも観光政策上大変重要な課題であると考えます。そこで、こういった視点に立った周辺市町村との連携について、これまでの取り組みと今後の基本的考え方についてご所見をお伺いしたいと思います。 第2に、フィルムコミッションの立ち上げについてであります。全国各地でフィルムコミッションを立ち上げ、各種取材や撮影の受け入れ態勢を整え、町の魅力をメディアを通して積極的に全国に発信していこうという取り組みが広がっております。本県においても高崎市と草津町にフィルムコミッションが設けられ、一定の成果が得られていると仄聞しております。これは前橋市の魅力を全国にアピールし、観光客をふやす大変有効かつ経済的手段であると考えております。そこで、本市としても地元観光協会や商工会議所等とも連携して、このフィルムコミッションの立ち上げを検討してみたらと考えますが、ご所見をお伺いいたします。 第3に、ビジタートイレの整備についてであります。観光政策を考えるとき、前橋を訪れた方々をもてなしの心でお迎えするホスピタリティーという概念も大変重要であると考えます。その一つの試みとして、公衆トイレを整備し、これをきれいに保つことに取り組んでみてはと考えます。群馬県では、観光物産課が所管し、同趣旨の千客万来支援事業といった制度を設け、県内に既に27カ所のビジタートイレが設置され、かつその認証制度に該当する施設を観光客向けにPRしていると仄聞しておりますが、まことに残念ながら本市にはそれに該当するビジタートイレは一つもないようであります。そこで、本市としても県のこういった制度を積極的に導入いたしまして、ビジタートイレの整備と保持に取り組んでみてはと考えますが、ご所見をお伺いいたします。 第4に、上毛電鉄の観光路線としての活用についてであります。さきにも触れましたとおり、合併に伴って赤城南面が本市の観光資源として新たに加わってまいります。この赤城南面を東西に走る上毛電鉄につきましては、通勤、通学客を中心とする貴重な生活道路として存在し、地域鉄道として長い間社会的にも重要な使命を果たしてきたところであります。しかし、車社会に至り、乗客の激減からその対応策が種々模索されているところであります。そこで、赤城南面の観光資源が本市の観光ゾーンとして加わるこの機会に、将来にわたって鉄路を守ると同時に、新たに加わる観光資源を広くアピールしていくためにも、上毛電鉄を生活路線としてだけでなく、今後観光路線としても位置づけ、これを積極的に活用する方策を検討してみたらと考えますが、ご所見をお伺いいたしまして、第2質問を終わります。

【保健福祉部長(中野浩)】 ねんりんピックにつきまして再度のご質問にお答えをさせていただきます。 大会期間中の各イベント会場には、前橋広域物産振興協会の会員の販売店の出店をお願いしてございます。さらに、選手役員のもてなし用として、名物の焼きまんじゅうも用意をしたいというふうに思っております。また、来県される選手、監督を対象とした観光コースにも、前橋駅前のケヤキ並木、前橋文学館、前橋物産館をコースに取り入れておりまして、前橋文学館につきましては選手であれば無料で見学できるように配慮をいたしております。 なお、参加する選手の皆さんに前橋の観光パンフレットを配布する予定もございます。 次に、準備状況と取り組みでございますが、この大会を開催するに当たりまして、多くの市民ボランティアの協力をいただくとともに、全庁的な職員動員体制によりまして実施本部を設置してございます。今後全国から来県される選手の皆さんを温かく迎えることができますように、研修を重ねまして、準備に努めて大会の成功に向けて努力をしてまいりたいと考えております。

【商工部長(養田雅香)】 観光政策についての第2質問でございます。4点ほどいただきました。順次お答えさせていただきます。 初めに、近隣市町村との連携についてでございますが、これまで前橋市に来ていただくお客様に宿泊場所の紹介という形で近隣の赤城温泉郷や伊香保温泉などの紹介を行ってまいりました。また、前橋コンベンション・ビューローでは、誘致した大会関係の宿泊場所として伊香保温泉を紹介した事例などもございます。今後はこちらから紹介するだけでなくて、双方向の考え方で各宿泊地との行き帰りなどに立ち寄れる観光地としての前橋市を認知してもらえるよう、近隣市町村や観光協会及びマスコミ関係に対して宣伝活動を行うとともに、それにこたえるだけの魅力ある観光地づくり、環境づくりに努めてまいりたいというふうに考えております。 次に、ご提案をいただきましたフィルムコミッションの事業による観光推進につきましてですが、これらの取り組みは非常に効果的であると考えられます。ただ、対応できる体制づくりも必要となります。相手側から求められる支援内容によっては、地域住民の理解及び協力が難しいケースも考えられますが、この事業の効果につきましては、既に全国でもいろんな発信がございますので、大きなものがあろうかと思いますので、今後は十分に内部で研究をし、取り組んでまいりたいというふうに考えます。 次に、ビジタートイレの整備でございます。現在市内に多くの人が訪れる公園、遊園地など観光スポットと言われる場所には必ず公衆トイレが設置をされておりますが、お客様が気持ちよく利用できる環境づくりは観光の基本であると思います。群馬県の千客万来支援事業の取り組みについては、観光推進の視点で市内中心部の5カ所に設置してある観光案内板の改修を年次計画というふうに位置づけて進めております。ご提案をいただきました誘客効果につながるためのビジタートイレの整備については、今後群馬ビジタートイレ認証制度につきましても関係課と連携を図り、整備に努めてまいりたいというふうに考えます。 次に、上毛電気鉄道の活用についてですが、現在の上電については、利用者の多くは生活路線として通勤、通学客が中心的であるというふうに位置づけ、認識をしております。新生前橋では、沿線にあるあいのやまの湯、大室公園、粕川温泉元気ランドなど多くの観光資源を有することになります。また、大間々町の赤城駅には東武鉄道が引き込まれ、浅草方面からの観光客も見込まれます。今後の赤城南面地域の観光PRを推進するに当たり、上毛電鉄を初め他の公共交通機関との連携を図りながら観光ルートを作成し、観光客にわかりやすい観光案内ができるよう、観光推進に努めてまいりたいというふうに考えております。以上です。

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