2005年5月産業経済常任委員会(産業経済局分)「質問」より

【1】指定管理者制度の導入について

 これまで、公の施設管理は、公共団体・公共的団体等に限定されていたが、地方自治法の改正により民間事業者も参入可能となった。既に、公共団体等に管理委託中の施設は、法律施行後3年以内の平成18年9月2日までに指定管理者制度に移行することとなった。指定管理者制度導入の目的として、公の施設管理に民間能力の活用・住民サービスの向上、経費の節減を掲げられ導入効果が期待されている。産業経済局として、所管施設についてどのような検討を行っているか。

 <観光物産課長>当初、当局の指定管理者制度導入予定施設は15施設あった。このうち2施設(武尊牧場ピクニック緑地・同牧場キャンプ場)は、見直しにより設備譲与とした。また、利用実態により検討した3施設(川場ピクニック緑地・同サイクリングロード・宝台樹サイクリングロード)は、所在町村と協議を行い無償譲与とした。なお、宝台樹ピクニック緑地は、現在スキー場として利用されていることから、告示変更を行いスキー場に変更した。
この結果、指定管理者導入予定施設は15施設から9施設となった。上程中の条例案では、原則公募としているが8施設については、施設の所有権の問題から、こうした特殊性も加味し選定委員会で検討したい。

 指定管理者の選定にあたっては、公平・公正が大前提。その点で、重要と思われる選定委員会の構成員・選定基準策定にあたっての基本的スタンスを伺いたい。

 <労働政策課長>選定委員会は、公平・公正な審査、透明性への配慮を念頭に、公認会計士などの専門家、または、学識経験者などを中心に考えている。また選定基準は
  @県民の平等な会館利用の確保
  A指定管理業務を安定し行い得る経営基盤を有する
  B労働基準法など法令の規定を遵守し、個人情報の適正な取扱いの確保と、適正な運営
ができることなどとしている。

 前橋市では既に指定管理者制度を導入している事例があるが、選定委員会での選定にあたり、各項目毎に配点し、最高点の業者に指定することとした。結果的に2位との差が僅差であったが規定により指定した。基準に従い比較することも大切だが、最終的に業者と話すことも必要と思う。ヒヤリングの機会は考えているか。

 <労働政策課長>公募に当たり、募集要領の中で様々な規定を盛り込む予定。応募者に対して、担当レベルまたは選定委員会の中で面接の場を設け、ヒヤリングすることを考えている。

 是非、そのようにお願いしたい。また、利用料金制を導入する施設と、しない施設があるが、根拠を教えて欲しい。

 <労働政策課長>全ての施設で、利用料金制を導入しなければならないものではない。勤労福祉センターの場合、利用者数が増加傾向にあること、施設の稼働率を上げる経営努力により収入増の余地があること、これらを総合的に勘案し、利用料金制が適当と判断したもの。

【要 望】 指定管理者制度の導入は、公正・公平が大事であり是非特段のご配慮をお願いしたい。

 

【2】中心市街地の活性化について

 現在、地方都市を中心に、全国的に中心市街地の衰退が大きな問題となっている。特に、本県は全国有数の車社会を背景に郊外大型店が急増し、県内各地の中心市街地が軒並み大変深刻な状況。県として現状をどう捉えているか。中心市街地の活性化について、基本的な考え方はどうか。

 <商政課長>中心市街地の衰退は、車社会の発展・大型店の郊外出店・商店主の高齢化・市街地人口の減少などの要因が複雑に絡んだ結果と考える。中心市街地の商店街は、単なる買物の場所のみならず、地域の中心として文化や伝統などを担い、「地域の顔」として重要な役割を担ってきたと認識している。住宅・大型マンションの建設が進み、一部では市街地の魅力も再認識されており、再生を望む市民の声も大きくなっている。中心市街地という機能を失うことは、商業者のみならず、地域住民・地域社会にとっても大きな損失であり、その再生と商店街の活性化は、大きな課題と考えている。“中心市街地をどのようにしていくかは”基本的には地域住民の“中心市街地をどのようにしたいのか”の考え方にかかっていると認識している。県としては、地域のビジョンや意向を踏まえ、市町村、商工関係団体、地元商店街、地域の市民団体と連携し、一体となって支援を行っているが、引き続き支援していく。

 私も同じ認識だが、以前より複合的な問題を抱え、それだけに、問題解決は困難と思う。しかし、これからの高齢社会、“誰もが住みよいまちづくり”を考えると、多くの公共交通が中心市街地を経由しているように、中心市街地の位置づけは重要である。また、郊外店との競合には地域の中心市街地が持つ特性、文化や景観など、個店ならではの魅力を演出することが非常に大事になると思う。
 そこで、これまでの中心市街地活性化の取り組み状況とその評価について伺いたい。

 <商政課長>県の支援策は、商店街が取り組む事業を支援する補助事業と、県が直接商店街で事業を行い、活性化のモデルケースを作っていく独自事業がある。
 補助事業では、商店街が行う空店舗活用や環境整備、イベントなどに対し重点的・包括的に支援している。
 県の独自事業では「中心市街地再生実践事業」として「弁天ワッセ」を行っている。この成果としては、
  @商店街の知名度アップ
  Aにぎわいが戻る
  B商店街の魅力を再発見した人が空店舗4店出店したこと
  Cこの活動が他の商店街へと広がっている
といった成果が出ている。また、空店舗活用の支援は、補助が終了した43店舗中33件(77%)が、その後も営業を継続するなど、一定の成果を収めている。

 前橋市では、昨年4月中心市街地に「にぎわい課」を設置した。これを核として、活性化に向け活動を行っているが、これまで県は前橋より指導の助言を求められたか。

 <商政課長>平成12年に市が策定した中心に市街地活性化基本計画について、福祉やまちづくりなど、他面的見地から、技術的助言、意見等を行った経緯がある。

 市の中心市街地活性化に関する会議に、何らかの形で参加するなど、県と市が連携して取り組むべきと考えるが、所見はどうか。

 <商政課長>県と市の連携は、市の「にぎわい再生計画策定」の検討委員会、中心商店街の会議、まえばし商工会議所の会議にオブザーバーとして出席し、情報交換等を行っている。また、県では中心市街地の活性化を県域で連携して実現のために「中心市街地等商業活性化連絡会議」を発足させた。第1回目は前橋市を含む県下11市と商工会議所関係者が集まり、意見交換や情報交換を行うなど活性化の方策を探っている。

【要 望】 前橋市で検討中の、旧リヴィンのような活用方法は山形市に前例がある。空店舗となった大型デパートを民間ビル会社が買取り、その条件として建物の上半分を取得後10年間、県と市が半分ずつ借り受けるもの。行政でできる最大の中心市街地の活性化策は、公的施設をできるだけ中心市街地に配置することであると考える。旧リヴィンの活用についても、市との連携をはかり、県都前橋再生に向け、お力添え願いたい。

 

2005年5月産業経済常任委員会(企業局分)「質問」より

【1】指定管理者制度について

 これまで、公の施設管理は、公共団体・公共的団体等に限定されていたが、地方自治法の改正により民間事業者も参入可能となった。既に、公共団体等に管理委託中の施設は、法律施行後3年以内の平成18年9月2日までに指定管理者制度に移行することとなった。指定管理者制度導入の目的として、公の施設管理に民間能力の活用・住民サービスの向上、経費の節減を掲げられ導入効果が期待されている。産業経済局として、所管施設についてどのような検討を行っているか。

 <企業管理者>企業局の公の施設はゴルフ場と駐車場であるが、ゴルフ場は現在、観光開発公社に委託している。観光開発公社が、民間並みの経営努力を行っているかを民間のゴルフ場経営と比較したところ、まだまだ改革が可能であり、もう少し民間レベルのコスト削減の下で県民サービス向上に寄与できると判断した。その結果、より県民福祉の増進に寄与すべく指定管理者制度の導入に踏み切った。現在、様々な課題をクリアしながら制度導入に向け、鋭意募集要領等を定めている。

 指定管理者の選定においては公正・公平が大前提。その点で選定委員会の構成員、選定基準が大変重要になるが、選定基準の基本的な考え方を伺いたい。

 <施設主監>選定基準は、基本的には、選定委員会で決めてもらうことを考えている。通則条例中に基本的事項が定めてあり、県民の平等の利用の確保、施設の効率的、効果的な利用安定した運営能力のほか、設置目的の達成に必要な諸基準等を設置者が決められることになっている。それ以外の更に具体的な内容は選定委員会に諮り決定の予定。

 <企業管理者>ただ今の答弁に補足するが、選定基準は募集要項の中で定め、透明性の確保を考えている。現在考えていることは
  @施設の効用を最大限に発揮できるか
  A業務遂行能力
  B適正な収支計画により経費の節減が図られているか
  C生じた利益から、一定の納付金を納めなければならないが、これが確実に納められるか
  D河川敷を利用することから適正な危機管理能力を有しているか
 これらの内容が、事業計画書にどれだけ盛り込まれているかを選定委員会で審査にあたる。審査にあたっては点数化し、最終的には総合点数化により選定するが、これら全てを選定委員会に実施してもらう。審査項目は募集要項に明記し選定の透明性を図る。選定委員の人選は現在慎重に進めている。

 最終的には点数で判断とのことだが、場合によっては僅差になる可能性もある。その際はヒヤリング等を行う考えがあるか。

 <企業管理者>審査は一次審査、二次審査を考えている。一次審査は書類選考、二次審査は選定委員のヒヤリングや募集者からのプレゼンテーションを行い、総合的に判断したいと考えている。

【要 望】 指定管理者制度の導入においては、何よりも公平・公正が求められていると思う。その点について特段の配慮を願いたい。

 

【2】企業債残高について

 企業債に関する調書によると、平成17年度末現在高見込額は、電機事業会計で97億円、工業水道事業会計で118億円、水道事業会計で309億円、団地造成事業会計で158億円、合計で682億円となっている。ここ数年、全体的に概ね改善傾向にあるが、管理者の下、様々な経営改革努力の結果と考える。しかし、額としては大変な額である。この現状を各事業会計毎にどう捉えているか、併せてここ数年の企業債残高の推移及び今後の見通しを伺いたい。

 <企業管理者>各事業毎の企業債残高を平成12年度末と16年度末の比較であるが、電気事業は172億円が112億円、工業用水道事業は105億円が104億円、水道事業は229億円が307億円、用地造成事業は417億円が202億円となっている。企業局合計では、993億円あったものが725億円となり、268億円減少している。中身的には電気事業は65%、用地造成事業は半分以下の数字となっている。これは団地造成事業は平成4年度から8年度に板倉ニュータウン事業で多額の企業債を発行したが、その償還が進んでいること、また、12年度以降経営改善により、新規の建設改良を抑制したことによるものである。今後の見通しであるが、平成17年度の発行は別として、16年度末の725億円に対し、新規発行がなければ償還のみで進むことになる。5年後の平成21年度までは、合計で379億円程度になると予想している。今後も事業を行う場合発行せざるを得ないが、経営改革を推進する中、事業の縮小傾向にあり効率的に発行したい。

【要 望】 官と民の役割分担の明確化が、非常に重要になってくると思う。是非、県民さらには私たちの子どもや孫の世代にツケを残すことのないよう願いたい。


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