2005年9月環境共生社会特別委員会「質問」より

【1】ゴミ問題について

 リサイクルについて全国統一的な分別基準があれば、もっとリサイクルが進むのではないかと考える。現在、群馬県では各市町村ごとに異なった分別基準に基づき排出が行われているが、本県だけでもある程度統一的なルールが作れないかと考えるがどうか。

 <廃棄物政策課長>市町村は、自治事務としてそれぞれが定める基準により処理を行っている。市町村における分別収集区分は、ごみ処理施設の能力や構造・施設規模等に基づき、市町村の独自の判断により分別方法を定めているため、収集方法が異なっているのが現状である。また、昨年度から県民や事業者等を対象とした懇談会を開催しているが、その懇談会の中でも、市町村ごとに分別収集の方法が様々であり不便であり、県下統一した分別方法がとれないかとのご指摘も頂いている。
 本県においては、現在策定中の第2次群馬県廃棄物処理計画においても、分別収集方法の統一を提案する予定であり、市町村に対して分別方法の統一化について働きかけてまいりたい。

 限界もあると思うが、市町村をとりまとめる立場にある県が、将来的に統一が図れるような筋道を作る必要があると思う。個人的には群馬県内、或いは日本国内で統一ルールができれば、リサイクルが一層進むのではないかと思う。これに関しての見解はどうか。

 <廃棄物政策課長>ご指摘のとおりであると思う。先ほどの第2次群馬県廃棄物処理計画は今年度策定し、次年度から実施する予定である。時間的な距離を縮めて行きたい。

 ゴミ焼却場の問題もある。ダイオキシン類の発生抑制等を図るためには、焼却炉を24時間連続稼働させることが重要であるが、そのためには、ある程度の量がなければならない。それには、ごみを広域的に集めることが必要と考えるが、ごみ処理施設の広域化についてどのように考えるか。

 <廃棄物政策課長>本県では、ダイオキシン類の発生抑制等を目的にごみ処理施設の広域化を図るため、平成11年3月に県内を9つのブロックに分け、将来的にごみ処理の共同化に取り組むことが適当であるとした「群馬県ごみ処理施設適正化計画」を策定した。一般的にダイオキシン類の発生を抑制するためには800度以上の状態で連続的に焼却することが望ましいことから、この計画においては、ある程度大きな規模とするよう施設の広域化を推進してきたところである。
 一方、最近ではこの計画で定めるブロックの範囲を超えて市町村合併が行われているなどの状況が見られることから、昨年度から概ね3か年計画で、新たな広域化計画として「一般廃棄物処理マスタープラン」を策定している。今後とも、ごみ処理施設の広域化については適切に対応していきたい。

【要 望】 各市町村でダイオキシン対策が進んでいることは承知している。ある程度規模がある方が効率的であり、安全であると思う。話し合いの中でよりよい環境を作るため、プラン策定に尽力頂きたい。

 

【2】県庁内のリサイクルの取り組みについて

 県民にリサイクルへの協力を求める以上は、県庁でいかに率先してリサイクルに取り組む必要がある。庁内のリサイクルの取り組みについてお聞かせ願いたい。

 <環境政策課長>県では「循環型社会県庁エコDo!」を策定し、平成13年度から取り組んでいる。「県庁エコDo!」は、グリーン購入・ゼロエミッション・温暖化対策の3つの柱から成っている。ごみについては16品目に分別し、資源としてリサイクルするものと焼却処理するものとに分けている。県庁全体で可燃ごみの量は、平成16年度で2,239トンであり、基準年度である平成11年度に比べて9%削減となっているが、20%削減という目標には達していない。

 県庁内のリサイクル率はどの程度か。

 <環境政策課長>県庁舎だけの数字であるが、ごみの全体量336トンのうち資源物は230トンであり、68.6%がリサイクルされている。なお、缶、ペットボトルは生協が処理するので含んでいない。また、割り箸も含んでいない。

【要 望】 県庁のリサイクル率は一般県民の14〜5%に比べかなり高い。県庁の取組は、県民への啓発・PRにつながる。県庁の取組を県民に向かって報告することは効果があると思うので、今後も積極的に取り組んで欲しい。

 

【3】県としてのISOの認証取得について

 各企業・行政において、環境問題に積極的に取り組んでいくためにISOの取得が進んでいる。ISOを取得するというのも、環境問題に取り組むきっかけの一つであるが、県で取得するという考えはあるか。

 <環境政策課長> ISOについては、県内では公共団体も含め、今年7月末の時点で291事業所が認証を取得している。県では平成11年2月に衛生環境研究所が認証を受けており、この結果を活かして「県庁エコDo!」を策定し、運営している。「県庁エコDo!」も今年度見直しの時期なのでしっかり検証し、ISOの考え方を踏まえ、一層充実したものになるよう取り組む。

【要 望】 確かに県庁内のリサイクル率は良いと思うが、これから見直し時期ということもあるので、更なるリサイクルやゴミの減量につながるよう、ISOの取得なども検討しながらさらに実行性のあるものにして頂きたい。

 

【4】地球温暖化対策について

 今年2月に京都議定書が発効となった。群馬県としての義務についてはどのような見解かお聞かせ頂きたい。

 <環境政策課長>京都議定書の目標は、国が第一義的に責任を持って達成すべきものであると考えているが、目標達成計画では県の役割として、「地域の特性に応じた施策の実施」「率先した取り組みの実施」「地域住民等への情報の提供と活動の推進」の3つが書かれており、県としてもこれらの役割を果たしていきたい。

 京都議定書の目標をクリアするために、県はどのように取り組むのか。

 <環境政策課長>京都議定書では、第一約束期間2008年〜2012年までの間に温室効果ガスを6%削減することとなっている。県としては、国の取り組みに積極的に協力することが基本的な役割であると考えている。そのための取り組みとして、コツコツプランをしっかり見直して取り組んでまいりたい。

【要 望】 コツコツプランを検証した結果、群馬県では基準年に比べて15.9%、CO2が増加したということであった。群馬県は全国平均と比べて若干低いとは言うものの、「群馬県として京都議定書の目標数値をクリアする」という強い意志を持って前向きに取り組み、全国でも一番の環境先進県を目指して頂きたい。

 

【5】新エネルギーへの取り組みについて

 群馬県は全国でも日照時間が長く、太陽光発電に適している。県として積極的に導入するような促進策をつくる考えはあるか。

 <環境政策課長> 温暖化対策として新エネルギーの導入は重要な課題である。群馬県は日照時間の長さは全国第4位であり、新エネルギーとして有効だと考える。
 太陽光発電については、当初価格が高いことから、国では補助制度を設け、県でも利子補給制度を設けて普及促進を図った。その後普及が進み価格も下がってきた。そういう意味では良い方向に向かっており、良い循環が始まっていると考えている。平成6年頃は平均的な家庭で3kWの設備で600万円位が必要であったが、今は同じ設備で200万円くらいで導入できる。
 県内の整備状況は、平成16年度末時点で3,947基設置されており、年ごとの設置数として平成13年381基、14年671基、15年714基、16年は1,248基となっている。国の補助制度は今年度限りで廃止されると聞いており、県の利子補給制度も新規受付は平成15年度で廃止した。今後は公共施設への率先導入を含めてよりPRに努めるなど、普及に努力して行きたい。

【要 望】 太陽光発電は価格が下がっているとは言え、まだ高価である。環境先進県として全家庭に太陽光発電が付けばPR効果が高い。国の補助制度が打ち切りになるということで、群馬県として利子補給制度を復活させるというのも一案だと思う。検討して欲しい。


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