2005年12月環境共生社会特別委員会「質問」より

【1】街路樹の整備について

 県のホームページには、「群馬県の並木100選」が掲載されているが、そのうちの一部が区画整理や道路の拡張により伐採されてしまうと聞いた。折角、「群馬県の並木100選」に選ばれていながら、それを保全するということになっていないのか。

 <都市計画課次長>以前、区画整理事業により伐採するという記事が新聞に掲載されたが、これは前橋館林線の松並木のことである。前橋館林線は県道であるが、松並木区間については、松並木土地区画整理事業として前橋市が施行している。平成5年度に事業着手し、平成22年度完成を目途に整備が進められている。この事業地内には松が74本あり、このうち県道拡幅の影響を受けないものが19本、移植可能なものが44本、残りの11本は樹木医等専門家の診断により移植が不可能とされている。
 この問題に対しては、8月から地元説明会を3回開催して協議した。また地元でも「緑化推進委員会」をつくり検討している。前橋館林線の整備までにはまだ時間があるので、県・市・地元で協議しながら、できるだけ伐採が少なくなるような方向で考えていきたい。

 100選として選んだ並木については、後世に残していくという位置づけがあるのか。ただ選ぶだけなのか、選んだ以上は後世まで残して行くとしているか確認したい。

 <都市計画課次長>できるかぎり後世に残すべきものと考えている。ただし、事業を行う上で支障のあるものは、地元とできるだけ協議し移植等を考えたい。

 残すという前提に立って、関係市町村や住民の意見を聞きながらということは分かるが、市町村と県の間でそういうものを残して行こうとの共通認識ができているのかどうか伺いたい。

 <都市計画課次長> 以前とは異なり、事業の実施に当たっては環境に配慮している。市町村も含め、県民の皆さんと一緒に考えて行きたい。

【要 望】 自然環境を残すという観点もあるし、天川大島の並木は歴史的な背景もあるので、今後は市町村とも連携を密にしながら、こういうものを残すよう配慮頂きたい。

 

【2】街路樹の落ち葉対策について

 街路樹のある場所では落ち葉対策が必要であると思う。落ち葉処理の現状について伺いたい。

 <都市計画課次長>街路樹等の落ち葉の処理は、通常の道路清掃業務の一環として実施している。市街地では道路清掃車により落ち葉の清掃を実施しており、11月の実績は県管理道路約3,200kmの内清掃実施延長は約900kmである。この900kmの内、落ち葉のある箇所は約半分の450kmと想定され、落ち葉の処理方法については、道路脇の砂やゴミ等と一緒に機械により吸い取り除去している。
 しかしながら、限られた財源の下での道路清掃業務だけでは、落ち葉対策は十分とは言い難く、地域の方々にご協力を頂きながら実施している状況もある。

 昔は家の周りを掃除してくれていたが、最近では落ち葉を何とかして欲しいという相談がよくあると聞いている。地元の協力があるに越したことはないが、糞尿等はバイオマスに活用する事例があるが、落ち葉の場合はどうか。

 <都市計画課次長> 街路樹を植える場合は、地元と協議しながら決める。落ち葉等のデメリットもあるので、更に地元と協議しながら考えて行きたい。
 東毛広域幹線道路6.5km区間を並木道にする計画があり、今年の10月から12月に地域住民の意見を聞くワークショップを行っている。将来的には、道路の維持管理も含め、住民と行政で組織する協議会をつくり検討して行く予定である。バイオマスへの活用についても協議会等で検討できればと考える。

 

【3】電線の地中化について

 街路樹が電線にかかりそうで気になるところもある。このことについてはどう思うか。

 <都市計画課次長>電線にかかる枝葉の対策については、枝切りには専門的な技術を要し危険等を伴うことから、街路樹管理に係るパトロールを定期的に実施し、電線に支障がある枝を発見したら、その都度、東電やNTTなど電線の所有者に通報し処理をお願いしている状況である。

 電線があるために街路樹が不自然な形に伐採されているケースが大変気になる。都市緑化の面から、街路樹は貴重であると思う。例えば、コストはかかるかもしれないが、電線を地中化するなどの考えはあるか。

 <都市計画課次長> 電線類の地中化については、現在、無電柱化推進5ヵ年計画に基づき整備を進めており、平成16年度から20年度に全体計画延長36.6q、このうち直轄国道21.9q、県管理道路7.9q、市町村道6.8qを整備する計画となっている。
 平成17年度は、県管理道路20箇所、市町村道8箇所で事業実施中であり、前橋市内については6箇所の工事を実施中である。

【要 望】 街路樹の整備にあたって、折角の樹木が不自然な形で植えられているのは寂しい。電線の地中化やその他の方法などで、自然な形での街路樹の整備をお願いしたい。

 

【4】前橋公園通り線の桜並木について

 前橋公園通り線の桜並木の一部は、グリーンドームの建設に当たって切られてしまった。富士機械のところにある桜並木については、現状では歩道上にあり、歩行の支障にもなっているようだが、これを切ってしまうのは寂しい。富士機械の敷地には余裕があり、また南側には前橋工業高校跡地がある。今後、歩道を拡張すること等考えられるが、そういった敷地と道路敷地を等価交換し桜並木を残すことはできないか。

 <都市計画課次長> 前橋公園通り線については、国道17号ロイヤルホテル前の信号から上毛会館前の信号の間約2kmが基本幅員16mの二車線の道路として都市計画決定されている。
 現在、ロイヤルホテル角の国道17号信号から中央大橋下交差点までの約900mが、前橋市施行の街路事業として平成9年度から事業着手され、現在39%の進捗率である。また、中央大橋下交差点からグリーンドーム北端までの間は改良済みとなっている。未着手区間約850mについては市道であり、この区間について前橋市は、区画整理か街路事業か検討しているところであり、事業の見込みはたっていない。

【要 望】 公共事業を行う際にも、環境への配慮は不可欠である。そういう観点から、先ほどの並木についても、できるかぎり残すことを前提に実施して頂きたい。

 

【5】地下水について

 最近、よく水の汚染ということが聞かれるが、前橋市は地下水や伏流水が一緒になっていると聞いた。分けられて使っているか、一緒になってしまっているのか。

 <土地・水調整主監>企業局による供給水と地下水をブレンドして使っているところもあるが、単独で使っているところもある。

 地下水と伏流水が全部つながっていると、どこかで地下水が汚染された場合は水がすべて飲めなくなってしまうのではないか。現状はどうか。

 <土地・水調整主監>地下水の水質汚染については、環境保全課の調査によると硝酸性窒素や亜硝酸性窒素等による水質悪化が3割程度認められている。前橋市の水道水源の水質調査の基準値近いところが見られる。マンガンについては接触濾過、亜硝酸性窒素については取り除くのではなくブレンドして薄めるという方法をとっていると思う。

 どこか汚染されたとき、一部で食い止めて、他は安全であるという状況にはなるのか。

 <土地・水調整主監>地下水汚染の対策としては汚染の発生源を絶つということが基本であり、一度汚染されてしまったものについては手の打ちようがない状況である。


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